鹿児島の年中行事 鹿児島の年中行事ガイドブック

■知覧町のソラヨイ
写真●知覧町中福良そらよい
▲有名な中福良のソラヨイ
写真●知覧町打出口ドッサー
打出口のドッサー(ソラヨイ)

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3.十五夜そらよい

■なぜソラヨイをするのか?

南九州市知覧町の中部,永里や東別府・西元・瀬世というところでは,「そらよい」という面白い習俗があります。写真のような格好をして,しこを踏みます。土地の神様と,お月様に感謝していると言われます。

  1. ワラやカズラを集めてくる。
  2. ツナネリをする。
  3. 綱引きをする。
  4. ソラヨイをする。
  5. 相撲をとる。

この行事は国の重要無形民俗文化財になっている伝統行事ですが,「ヨイヨイ笠」とか「ドッサー」などと呼ぶ集落もあります。
ソラヨイの十五夜歌は「ソラヨイ,ソラヨイ,ソラヨイヨイ」という声を繰り返していきます。この「ソラヨイ」という声の意味は,「それはよい」ということだそうです。また,「それっ!」という掛け声の意味もあると思います。


*南九州市知覧町の十五夜そらよいビデオ

*南九州市知覧町中福良の十五夜そらよい写真

*南九州市知覧町の十五夜そらよいドキュメント

■坊津町平原の茅被り
写真●坊津町平原の茅被り
▲茅を頭から被って山から下ろす。

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■ソラヨイと茅下ろしの関係

先ほどの綱引きずり・綱担ぎのところで、カヤを山から担いで下りるというのがありました。南さつま市坊津町平原では左のような姿です。上のソラヨイ(ドッサー)の写真と比べてください。そっくりですね。

けれども、ソラヨイをやるのは、相撲の前です。整理してみましょう。つまり、ソラヨイは、「カヤ」下ろしの装束を模した「ワラ」で作った装束を着て、相撲の前の四股を踏む踊り――と言えます。

構成 材料集め 綱作り 綱引き 相撲
坊津の事例 山からカヤ下ろし ツナネリ 綱引き 相撲
知覧の事例 里でのワラもらい ツナネリ 綱引き ソラヨイ+相撲
■坊津町の茅下ろし
写真●坊津町上之坊の火とぼし
▲火とぼし(茅下ろしの合図)
写真●坊津町鳥越のヨメジョ下ろし
▲ヨメジョ(茅俵)を下ろす
写真●坊津町鳥越のテツナッゴ
▲テツナッゴ(茅俵を迎える)

■多彩なカヤ集め習俗

地図●薩摩半島地図山からカヤを集めてくる習俗には、@カヤヒキ・Aカヤ束作り・Bカヤ下ろしの3種類があります。子供たちが山でカヤを引いて、束にし、それを綱作り会場まで下ろすという習俗です。

Aのカヤ束作りには、南さつま市坊津町の「ヨメジョ作り(茅俵作り)」や「番茅作り」などがあります。

また坊津町には、B番目のカヤ下ろしにも、多彩な習俗が見られます。山からカヤを下ろすときに火をともして集落に知らせる「火とぼし」、頭からすっぽりカヤを被って下りてくる「カヤ被り」や「カヤカル」(茅背負い)などです。茅俵ヨメジョを迎える「テツナッゴ」「ドントセ」という習俗もあります。


*南さつま市坊津町の十五夜火とぼしカヤ被りビデオ

*南さつま市坊津町の茅カルテツナッゴ写真

南九州市川辺町の十五夜ドキュメント


習俗紹介

○枕崎市東鹿篭下園:山でカヤを束ね終わると,それを頭頂から被り,その上に飾りを付けた笠を載せて降りてくる。カヤが体がずっと下まで覆う。(小野「十五夜綱引きの研究」)
○指宿市山川大山:集めたカヤを年齢にふさわしい大きさに束ねて背負って降りてくる。長いカヤの根元を強く締めて背に高く負うとカヤの長い葉は頭の上からかぶさって,頭から上半身,ひざの辺りまで覆う。(同上)

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